普通自動二輪免許の取得

普通自動二輪免許を取得したので記録を書くことにする。

事の発端

私は普段、原付バイクを利用している。

皆さんご存知のように、原付というものには極めて不便なルールがついて回る。

原付の法定速度は時速 30 キロメートルであり、これを超えてしまうと警察官に捕まる。 原付に乗っていると、大通りの一番左をチンタラ走っているすぐ右を、ものすごい速さで大型トラックに抜かれる恐怖体験ができる。

また、3 車線以上の交差点を右折するときは、二段階右折というものをしなければならない。 ただ二段階右折をするだけなら百歩譲って許せるが、つくばの街には左折専用レーンのある交差点が多く、こういうところでは物理的に二段階右折が困難なので、とても苦しい。

以上のようなことがあり、前々から免許を取ってもっと大きいバイクに乗り換えたいと思っていたのだが、私は電話をかけるのが苦手なので、なかなか申し込みができずにいた。

しかし、普段使っていたバイクが先日ついに故障してしまった。

いろいろな部分のメンテナンスを行ったが、症状は改善しなかった。 クソ暑い中で分解や再組み立てを行ったのに一切進展のない現状に嫌気がさしてしまい*1、その場で衝動的に自動車学校へ電話をかけることに成功した。

かくして 3 年ぶり 2 度目の自動車学校通いがスタートした。

教習

私の目的や資産状況からして 125cc のスクーターに乗れれば良いので小型 AT 限定でも良かったのだが、教習料金があまり変わらなかったので普通 MT をとることにした。

教習の最初で難儀したのが、重い車体の取り扱いである。 私の乗っているスクーターの重さが 70kg 弱なのに対して、教習車のスーパーフォアは約 200kg もあるので、当然原付の感覚で取り回すことはできない。 初めのうちは、押して歩いたり乗降車したりするときに転かしてしまったこともしばしばあった。

他に、ギアの操作にも慣れが必要だった。私は普通車の免許を AT 限定で取ってしまったので、人生で一度もマニュアルトランスミッション付きの車を扱ったことがなかった。 ただし、事前にギアの動作原理や操作方法について学習していたため、扱いにはすぐに慣れることができた。

指導員の方々の運転技術は極めて高度で、超小回りターンや超低速走行などのテクニックの数々にはとても驚いた。 初心者かつコミュ障の私に対しても優しく、しかし厳しく指導していただき、大変有意義な時間となった。 バイクでは誤った運転がそのまま死に直結するので、厳しく指導してもらえるのはとてもありがたかった。

さて、教習や卒業試験の中でこなさなければならない「検定課題」というものがいくつかあるので紹介する。

S 字・クランク

普通車の教習でもおなじみのものである。二輪車の場合はコース両側面にパイロンが立ててあり、そこに接触(≒脱輪)すると一発アウトなので気をつけなくてはならない。 ギアを 2 速にして、半クラッチとリヤブレーキで速度を調節するとやりやすかった。

スラローム

パイロンが 5 本立ててあり、その脇を九十九折りのように走り抜ける。ただハンドルを切るのではなく、リズム良く体重移動することが肝要である。 下半身が横に移動しても、上半身はブレずに安定させるという点において、スキーと似ていると感じた。

一本橋

長さ 15m で幅 30cm の一本橋の上を、7 秒以上かけて渡る。橋から落ちたら一発アウトである。 橋に乗るときに不安定になりがちなので、勢いをつけて乗るのが良いと思う。あとは上半身の力を抜いて視点を遠方に保ちつつ速度調整すれば、容易に 7 秒は越えられるだろう。

急制動

時速 40km で走り、指定場所でブレーキをかけて 11m 以内に止まる。 はじめはタイヤがロックしてすっ転ぶことを恐れて指定場所より前にブレーキをかけ始めてしまっていたが、慣れてくると意外と止まれることに気づいてブレーキ開始も粘れるようになった。 いきなりガツンとブレーキをかけるのではなく、徐々にジワっとかけることを意識すればなんとかなる(適当)。

坂道発進

上り坂で止まり、スロットルを開けつつクラッチを徐々に繋いで発進する。 初めは少しスロットルをひねるとエンジンの回転数が急激に上がる様子にビックリしてしまっていたが、重要なのは回転数ではなくクラッチの扱いであると指導を受けてからはすんなりできるようになった。

卒業検定

延べ 17 時間に渡る教習を受けた後、卒業検定に臨んだ。本来は 8 月 13 日に受けるつもりだったが、台風による大雨と強風が予想されたので翌日に延ばしてもらった。

本番は多少緊張したが、特に問題が起きることなく切り抜けることができた。教習中には一本橋から落ちることが何回かあったので不安だったが、なんとか落ちずに済んだ。

合格証書をもらい、茨城町の免許センターに行って発行を受けた。学科試験は免除で朝早く行く必要がなかったので、わかば号ではなく TM ライナーを利用した。

「普自二」が追加された免許証

結び

教習期間は夏本番だったので、とても気温が高くて大変だった。長袖長ズボンにプロテクター着用を義務付けられていたし、バイク自体も熱を発するので灼熱地獄だった。

何はともあれ免許をゲットできたので、今後はより大きいバイクに乗り換えて快適な移動を行いたい。

余談

免許を発行したのが私の誕生日の前日であった。 免許の有効期限は発行日から数えて 3 回目の誕生日の 1 ヶ月後であるから、私の免許証の有効期限は理論上最も短くなってしまったのである。 これに気づいたのは発行申請のときに窓口のおじさんに指摘されてからであり、わざわざ出直すのも面倒だったのでそのまま発行してもらった。

これに関しては、そのうち別の免許を取る予定なので気にしないことにしている。

*1:これはバイクを修理する技能や根性のない私が 100% 悪いのであり、バイクや環境のせいではない